2018年4月2日 (月曜日)
D. Candaux 1740 Half Hunter Tourbillon プレスリリース(日本語訳)

※イベントレポートはこちらをご覧ください!

 

 

<1740 Half Hunter Tourbillon> 

技術仕様

 

 

 

機能と表示

  • ・ドーム型の時間と分表示
  • ・9時位置にトゥールビヨンケージによる秒表示
  • ・二傾斜トゥールビヨン
  • ・12時位置にパワーリザーブ表示

 

ムーブメント

  • ・手巻きの傾斜付きトゥールビヨン・ムーブメント
  • ・寸法:直径35㎜、厚さ6.2㎜
  • ・素材:メインプレートとブリッジはグレード5チタン。トゥールビヨンケージは無加工のチタンとブルーイング加工のチタンの両方
  • ・輪列、歯車、ブリッジは水平より3度の傾斜(特許申請中)
  • ・ダブルバレル、パワーリザーブ55時間
  • ・パワーリザーブ・ブリッジはスチール製にミラー磨き
  • ・振動数:21,600 vph (3Hz)
  • ・ 石数:47、磨き仕上げの石受けとゴールド製のシャトン
  • ・部品数:287
  • ・手作業による面取り、手磨き、ブラッシング、そして独自のコート・ド・ソリアによる装飾

 

 

脱進機と輪列

  • ・9時位置に二つの傾斜角度を持ち、同軸回転するチタン製トゥールビヨン。ケージは水平方向より3度に傾斜、テンプはケージに対して30度傾斜。
  • ・テンプの慣性は調整可能
  • ・ブレゲコイルのゼンマイバネの先端はフィリップス曲線
  • ・プロフィールから見ると表面が段々状のチタン製のムーブメント
  • ・ダブルバレルによるコンスタントフォース
  • ・カムシャフト・システムによるパワーリザーブ表示

 

リュウズ

  • ・押すことによって解除される「シークレット」リュウズ
  • ・ニュートラル・時間調節用・巻き上げ用の3ポジション
  • ・31部品

 

ベゼルと文字盤

  • ・半ドーム型の時間と分表示
  • ・パラジウム含有率の高い18Kホワイトゴールドのインデックス。手作業による面取り、磨き仕上げ
  • ・グレード5チタンによる装飾と「ポワント・ドユ・リズー」モチーフの機械式ギヨシェ装飾。

 

  • ・時間針:文字盤の表面を曲線状になぞる、刀型のスチール製。手作業による面取り、磨き、ブルーイング
  • ・分針:文字盤の表面を曲線状になぞる、刀型のスチール製。手作業による面取り、磨き、ブルイーイング
  • ・秒表示:ブルーイングを施した18Kホワイトゴールド製。手作業による面取りと磨き。
  • ・パワーリザーブ:刀型の18Kホワイトゴールド。手作業による面取りと磨き。

 

ケース

  • ・非対称のバシネット型
  • ・グレード5チタン製
  • ・直径:43㎜
  • ・厚さ:12.60 ㎜
  • ・サファイアグラス製の半ドーム型風防が二つ、反射防止加工のガラス製風防が一つ、ケース裏はサファイアグラス
  • ・ケース裏6時位置にクリップ式のオリヴェット
  • ・手作業による磨き上げとサテン仕上げ

 

防水性

  • ・30mまで防水保証

 

ストラップ

・ 大きめのウロコのワニ革

  • ・完全なハンドメイド

 

バックル

  • ・ピン・バックル
  • ・316Lステンレスチール&チタン製

 

 

 

 

 

 

<時計師、ダヴィッド・カンドー>

バイオグラフィー

 

 

緑色や茶色の微妙な色合いや霧と雪に交互に包まれるジュー渓谷の見事な自然風景の中で、ダヴィッド・カンドーは祖父や父の代から続けられてきた時計作りの技法を継承しています。時計作りの巨匠たちの長い伝統の中に育まれたダヴィッドは、昔ながらの時計作りの技法を今も実践している、非常に数少ないスイスの独立時計師の一人であるといえます。

 

伝統に深く根ざしていながらも、ダヴィッド・カンドーは単純に過去のものを繰り返し作ることを良しとはしません。伝統的な技法を基盤としながらも、技術をさらに洗練させようと、徐々に進化させることを目標とし、詩的で哲学的な感情を機械時計の技術を通して現代的に表現しようとするのです。彼の作品に見られる一見、伝統的な趣の背後には、未だかつて実現されたことのもないどころか、夢見られたことすらないようなクリエーティブなイノベーションが隠されていて、それらは違いの分かるコレクターの想像力と理解力をくすぐり、刺激するのです。彼の作品の一つ一つは、最高の技術を駆使した巧妙な時計であるだけでなく、時を測る芸術に関する彼の非常にパーソナルなビジョンの表現でもあるのです。

 

・心と魂

何代にもわたる時計作りの経験と知識を持つ家系の中に生まれ育ったダヴィッドは、家族の伝統を踏襲するべく、15歳の若さで時計作りの道に専念することを決心しました。その後、ジャガールクルトの見習い時計師として、時計界の中では伝説的な存在である、ギュンター・ブルムライン氏の指導を受けました。ブルムライン氏が自分の制作哲学を表すものとして度々口にした言葉は、「時計は心と魂に語りかけなければならない」というものでした。ダヴィッドも自分の作品の全てにこの鉄則を適用しています。堅い信念に基づき、長い修行の積み重ねを通して取得した技術を駆使して、ダヴィッドの手によって作られる作品は、真の時計作りにとって不可欠な厳密さと正確性、完璧を常に求める彼の精神を具現化したもので、だからこそ作品は魂を持ったものとなるのです。

 

25年以上にわたって、ダヴィッド・カンドーは最高級腕時計の中でも最も名高いブランドのためにいくつもの作品を完成させてきました。それらの中には伝統的なものもあれば、伝統的な機械式時計を根本的に見直すような複雑な未来派の時計も含まれます。ダヴィッドは、ジュー渓谷の伝統に対する忠誠心のため、やや古風なものを好む傾向があると自分でも認めますが、同時に、新しい技術や素材に対して情熱的な好奇心も抱いています。アンテイーク時計の修復にも長く関わってきたため、時計作りの歴史と技法に関する深い知識を持ち、さらなる資格や専門技術を身につけることによって時計師としての腕をさらに磨いてきました。そして、同じ時期に、ダヴィッドは自分にとって理想の時計と思われる作品のスケッチや設計図を絶え間なく描き続けたのです。それは伝統的な時計作りに関する自分の考えを21世紀のコンテクストの中で考え直すという野心から来るものでした。

 

・1740 トゥールビヨンの発表

16年にわたる熟成時期の成果がとうとう2017年に世に出されることになりました。ダヴィッドの傑作、「1740」がこの年のバーゼルワールドでお披露目されたのです。1740といえば、ジュー渓谷に時計作りの伝統が最初に芽を出した年。ダヴィッドは徐々に進化する作品シリーズの最初の一本としてこの作品を発表したのです。時計作りに対する彼のパーソナルなビジョンがその設計と製作のあらゆるディテールに表されています。伝統的な技術を使った完成度を保ちながらも、現代技術の可能性をフルに活用して斬新な技術革新を発案し、設計、製作した作品です。このような原則に基づいた作品にふさわしく、時計の修飾や仕上げ、彫金や組み立ては全て手作業によるものとなっています。

 

 

ダヴィッドが住むスイスのル・ソリアの村は牧地と森に囲まれ、近くには湖があります。それは時計作りのインスピレーションの源となるような、静謐と安らぎの調和にみなぎる環境といえます。壮大な自然環境へのオマージュとして、ダヴィッドは特別なギヨシェ模様を開発しました。そのモチーフは周りの風景を反映すると同時に、彼の作品の心を表すものとなっています。「ポワント・ド・リズー」と呼ばれるモチーフは一見、シンプルなものですが、非常に高度な技術を要するもので、彼の工房の周りのリズーの森を空から見たときの幾何学的模様を表現したものです。また、コート・ド・ソリアと呼ばれる珍しい装飾は、手作りでしか実現できないもので、熟練した腕と特殊な工具を使います。

 

熊を表したダヴィッドのロゴも象徴的なものです。クマは、一つにはカンドー家のあだ名でもあるのですが、一方で、昔からル・ソリアの周りの森の中に生息していた動物でもあります。それは、時計が時計師の手によって作られた時代、商業化や大量生産を知らない遥か昔の時代のことです。

 

新作「1740」を世に送り出すと同時に、ダヴィッドはD. Candauxという名前のもとで制作することを決めました。ブランド名ではなく、実存する人の名前であるという気持ちがこもっています。また、イニシャルの「D」は父のダニエルとのコラボを象徴してもいます。ダヴィッドの父はその一生のほとんどをジュネーブの著名なメゾンの複雑時計を作ることに捧げてきた人ですが、今はその知識と経験で息子の時計作りに貢献しているのです。

 

 

・自宅と工房

今も昔も変わらず、周囲の環境は人の職や生き方に深い影響を与えるものです。最高級の腕時計作りの揺りかごと言われてきたジュー渓谷の中心部に住むダヴィッド・カンドーの工房はこの谷の伝統的な生き方を継承するものです。妻のキャロリーヌと二人で18世紀の歴史的な建物を完璧に改築・修復作業しましたが、それは想像を絶するプロジェクトでした。今やこの家の地階はカンドー家族の住居となり、上の階と屋根裏は時計作りの工房となっています。工房の窓からは美しい風景を見渡すことができ、19世紀の木製の作業机が未だに使われています。それはジュール・セザー・キャプトが、レオン・オーベールやルイ・エリゼ・ピゲとともに、当時もっとも複雑な時計と言われた「アストロノミーク」、別名「ラ・メルヴェユーズ」と呼ばれた伝説的な作品を製作した作業台と同じものなのです。1874年に制作が開始されたこの作品はその複雑さゆえに、開発に4年の年月がかかり、1878年になってようやく完成されたものなのです。